[2019年]台湾企業の時価総額ランキング〜純利益と売上高まとめ
台湾の企業情報を網羅的に把握するために台湾企業の時価総額ランキングを調査しました。
さらに調べている途中で台湾企業の純利益ランキングもわかったので、売上高とともに別にまとめました。
ちなみに比較用の昨年版こちら→台湾企業の2018年5月の時価総額と2017年度純利益
また、業種別は以下リンクをご参照ください。
→台湾の半導体関連企業の時価総額と売上・利益、事業内容の一覧
目次
日本と台湾の経済規模比較
ではまずはじめに、頼りにしている日本貿易振興機構(ジェトロ)の最新情報から、日台の経済規模を比較しました。
人口だけは総務省(日本)と行政院(台湾)から2019年の数字です。
日本の人口、経済成長率、名目GDP、一人当たり名目GDP
まずは日本の経済規模です。
日本:人口12,620万人(2019年)
実質GDP成長率 | 1.71(%) |
名目GDP総額 | 4,872.1(10億ドル) |
一人当たりの名目GDP | 38,440(ドル) |
台湾の人口、経済成長率、名目GDP、一人当たり名目GDP
次に台湾の経済規模です。
台湾:人口2,358万人(2019年)
(日本の18.7%)
実質GDP成長率 | 2.9(%) |
名目GDP総額 | 579.3(10億ドル)(日本の11.9%) |
一人当たりの名目GDP | 24,577(ドル)(日本の63.9%) |
台湾企業の時価総額ランキングベスト20
日本と台湾の経済規模の違いが把握できたので、次に台湾企業の時価総額ランキングをまとめました。
(単位:億NTD)
順位 | 企業名称 | 日本語企業名 | 業界/業種 | 時価総額 |
1 | 台灣積體電路 | TSMC | 製造/半導体 | 61,066 |
2 | 台塑石化 | フォルモサペトロケミカル | 製造/石油 | 11,098 |
3 | 鴻海精密工業 | ホンハイ精密 | 製造/電気 | 10,521 |
4 | 中華電信 | 中華電信 | 通信 | 8,688 |
5 | 台灣塑膠工業 | 台湾プラスチック | 製造/プラ | 7,161 |
6 | 台灣化學纖維 | 台湾化学繊維 | 製造/化学 | 6,505 |
7 | 國泰金融控股 | キャセイユナイテッド | 金融 | 6,274 |
8 | 南亞塑膠工業 | 南亜プラスチック | 製造/プラ | 6,242 |
9 | 富邦金融控股 | 富邦金融 | 金融 | 5,364 |
10 | 大立光電 | ラーガンプレシジョン | 製造/精密機器 | 4,970 |
11 | 聯發科技 | メディアテック | 製造/半導体 | 4,874 |
12 | 統一企業 | 統一企業 | 製造/食品 | 4,568 |
13 | 兆豐金融控股 | 兆豊金融HD | 金融 | 4,189 |
14 | 中國信託金融 | 中国信託金融HD | 金融 | 4,153 |
15 | 台湾大哥大 | 台湾モバイル | 通信 | 4,103 |
16 | 台達電子 | デルタ電子 | 製造/電気 | 3,948 |
17 | 中國鋼鐵 | 中国鋼鉄 | 製造/鉄鋼 | 3,792 |
18 | 統一超商 | 台湾セブンイレブン | 小売 | 3,140 |
19 | 康師傅控股 | 康師傅 | 製造/食品 | 2,944 |
20 | 日月光投資 | 日月光・ASE | 製造/半導体製造装置 | 2,810 |
Goodinfo!台灣股市資訊網 2019年6月19日の情報より
時価総額トップは相変わらず台灣積體電路製造股份有限公司(台積電・TSMC)。
約6.1兆台湾ドルというとんでもない規模で、二位以下を大きく引き離しています。ちなみに日本円にすると約21兆円で、日本の時価総額トップのトヨタ自動車とほぼ同額です。
二位のフォルモサペトロケミカルと、三位のホンハイ精密工業は日本円で4兆円程度。
主要な企業は後ほど別途説明します。
ついでに、康師傅はラーメン屋。
一応台湾と香港で上場してるけど、もうすでに「中国企業」っぽい。
ちなみに6月20日の日本企業の時価総額ランキングはこちら。
トヨタ自動車がトップで、以下にソフトバンクG、NTT、ドコモと続きます。
日台で比較してみると、互いにトップが強烈でほぼ同額の時価総額ですね。
二位以下では、ソフトバンクGがフォルモサペトロケミカルの約3倍。
ついでですが、NTTとドコモ、ソフトバンクGとソフトバンクが同時にトップテンに入ってますね。
日本の通信はぼったくりだもんなあ通信て儲かるんだなあ。
とにかく、日台企業比較をすると、一応まだ日本企業の方が層が厚そうです。(人口多いからな)
台湾企業の売上高と純利益ランキングベスト20
次に台湾企業の売上高と純利益ランキングをまとめました。
(単位:億NTD)
順位 | 企業名称 | 日本語企業名 | 業界/業種 | 売上 | 純利益 |
1 | 台灣積體電路 | TSMC | 製造/半導体 | 10,315 | 3,511 |
2 | 鴻海精密工業 | ホンハイ精密 | 製造/電気 | 52,938 | 1,291 |
3 | 台塑石化 | フォルモサペトロケミカル | 製造/石油 | 7,676 | 601 |
4 | 南亞塑膠工業 | 南亜プラスチック | 製造/プラ | 3,331 | 527 |
5 | 國泰金融控股 | キャセイユナイテッド | 金融 | 4,739 | 515 |
6 | 台灣塑膠工業 | 台湾プラスチック | 製造/プラ | 2,304 | 495 |
7 | 台灣化學纖維 | 台湾化学繊維 | 製造/化学 | 4,079 | 488 |
8 | 富邦金融控股 | 富邦金融 | 金融 | 4,109 | 477 |
9 | 南亞科技 | 南亜科技 | 製造/半導体 | 847 | 394 |
10 | 中國信託金融 | 中国信託金融HD | 金融 | 3,144 | 360 |
11 | 中華電信 | 中華電信 | 通信 | 2,155 | 355 |
12 | 國巨 | ヤゲオ | 製造/半導体 | 772 | 338 |
13 | 兆豐金融控股 | 兆豊金融HD | 金融 | 616 | 281 |
14 | 可成科技 | キャッチャーテクノロジー | 製造/金属加工 | 954 | 280 |
15 | 日月光投資 | 日月光・ASE | 製造/半導体製造装置 | 3,711 | 253 |
16 | 中國鋼鐵 | 中国鋼鉄 | 製造/鉄鋼 | 4,007 | 245 |
17 | 大立光電 | ラーガンプレシジョン | 製造/精密機器 | 500 | 244 |
18 | 台灣水泥 | 台湾セメント | 製造/セメント | 1,246 | 212 |
19 | 聯發科技 | メディアテック | 製造/半導体 | 2,381 | 208 |
20 | 華新科技 | ウォルシン・テクノロジー | 製造/電子 | 478 | 197 |
純利益順に並べると、時価総額でも首位のTSMCがトップ。
二位以下にホンハイ精密工業、フォルモサペトロケミカルが続き、時価総額トップスリーと同じ顔ぶれです。
こちらも相変わらずホンハイの売上高はとんでもないですが、その一方でTSMCの利益率の高さが際立っています。(売上はホンハイの1/5なのに、純利益は3倍!!)
また、時価総額ランキングには載っていないヤゲオやキャッチャーテクノロジーなどが出現。
ちなみに2018年度の日本企業の純利益ランキングはこちら
トヨタ自動車が1.9兆円の利益です。
台湾のTSMCが3511億元なので約1.2兆円。
なるほど。
台湾企業の概要
それぞれにランクインした各企業の概要を調べてみました。
TSMCとは
TSMC(英文正式社名:Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.、中国語正式社名:臺灣積體電路製造股份有限公司)は、中華民国新竹市新竹サイエンスパークに本拠を置く世界最大の半導体製造ファウンダリである。日本では「TSMC」または「台湾積体電路製造」と呼ばれる。創立者は、張忠謀(モリス・チャン)。
1987年に創立され、2002年には半導体生産トップ10、2014年には半導体売り上げ3位に入り、初めて全世界のファウンドリチップ製造量の半分を超えた。2017年のファウンダリ市場シェアは55.9%。台湾証券取引所、ニューヨーク証券取引所に上場している。
顧客企業はクアルコム、アップル、AMD、NVIDIAなどの製造ラインを持たない企業(ファブレス)が多く、数百社に上る。
-wikipedia
ホンハイ精密工業(富士康・フォックスコン)とは
鴻海精密工業(こうかいせいみつこうぎょう、ホンハイジンミゴンイェ、台証所:2317 )は、スマートフォンや薄型テレビなどの電子機器を受託生産するEMS(英語: Electronics Manufacturing Service) 企業の世界最大手であり、群創光電(InnoLux)やシャープ(Sharp)などをグループ内に抱える鴻海科技集団(フォックスコン・テクノロジー・グループ、Foxconn/富士康)の中核会社である。中華民国(台湾)に本社を置く。
2001年に、収益額はTSMCを抜いて台湾の民間企業の中で最大となり、2005年には台湾中油を抜いて台湾一の企業となり、現在までその地位を保っている。2014年12月期の連結売上高は4兆2131億台湾ドル(約15兆1700億円)。
鴻海が出資する堺市の堺ディスプレイプロダクトを黒字化した実績がある。
-wikipedia
台湾プラスチックグループとは
台湾プラスチックグループ (Formosa Plastics Group, FPG, 中国語: 台塑集團)は、台湾の大型企業グループ。事業分野は合成樹脂・繊維・バイオテクノロジー・石油化学・電子部品・運輸・医療・教育・製鉄と多岐に渡る。
1954年に王永慶・王永在兄弟が台塑を設立した。1980年代に台湾の民間企業として総資産・売上高・従業員数で首位を維持し、王永慶は「経営の神様」「台湾工業の父」と呼ばれた。
2010年の従業員数は99,332人、総資産は2兆9,915億台湾ドル、売上高は2兆1,850億台湾ドル。売上高は同年の台湾のGDPの約15%に相当する[4]。スタンダード&プアーズ Asia 50銘柄、台湾証券取引所50指数銘柄。
- エチレンの年間生産量で世界10大メーカー
- テレフタル酸の年間生産量世界1位
- ガラス繊維の生産能力世界1位
- 銅箔の生産量世界第3位
- ICパッケージ基板の生産能力で世界3大メーカー
- DRAM工場にて台湾最大、世界で6位
-wikipedia
メディアテックとは
メディアテック(英文社名:MediaTek Inc.、中国語社名:聯發科技股份有限公司)は、台湾の半導体メーカー。ファブレスIC設計企業である。本社は台湾・新竹市新竹科学工業園区にある。
1997年設立のいわゆるファブレスメーカー。CD-ROMドライブ用のチップセットからスタートし、現在はCD/DVD関連・デジタルテレビ向けの各種チップセットや、スマートフォン・タブレット・フィーチャー・フォン向けモバイルSoCなどを手がけている。2001年には台湾証券取引所(TSE)に上場した。
ここ数年は積極的なM&Aを仕掛けており、2007年3月には主にデジタルカメラ向けの画像処理LSIを手がけていた米NuCore Technologyを買収。また同年9月には米アナログ・デバイセズから携帯電話用チップセット「Othllo」とベースバンドチップ「SoftFone」の製品ラインを買収した。 2012年~2013年頃から主に新興国向けのミッドレンジスマートフォン向けモバイルSoCにおいて急速にシェアを広げている。 日本では、2007年10月にNuCore Technologyの日本法人を引き継ぐ形で日本法人の「メディアテックジャパン株式会社」を横浜市に設立している。
-wikipedia
ラーガンプレシジョンとは
ラーガンプレシジョン(中国語正式社名:大立光電股份有限公司)は、中華民国臺中市南屯區に本拠を置く光学品メーカー。
1980年に創立され、2002年に台湾証券取引所に上場。
主に光学レンズを生産しており、スキャナー、カメラ、プロジェクター、DVDドライブ、スマホカメラに使用される。デジタルカメラ用レンズの需要が落ち着いて以降はスマホ用カメラレンズに注力し、商品開発の速度と市場投入の早さ、生産能力で他社を圧倒。
ヤゲオとは
ヤゲオ(中国語正式社名:國巨股份有限公司)は新北市新店區に本拠を置く電子部品メーカー。1977年に創立、アジア、ヨーロッパ、アメリカに生産拠点、販売拠点をもつ受動部品専業のグローバル企業。
YAGEOはチップ抵抗では世界No.1, チップセラミックコンデンサでは, 世界No.3。 YAGEOは世界中に38ヶ所の販売/サービス拠点、19ヶ所の生産拠点、6ヶ所のロジスティック拠点(倉庫機能) 及び14ヶ所の研究開発センターがあります。Yageoの広範囲にわたる生産ラインは、モバイル、タブレットPC、工業製品/電源、代替エネルギー、医療、車載用アプリケーションを含む、主要な垂直市場をターゲットとしています。
(参考)ヤゲオ公式ページ
キャッチャーテクノロジーとは
キャッチャーテクノロジー(中国語正式社名:可成科技股份有限公司)は台南市永康區に本拠を置く金属加工品メーカー。
業界シェアは40%、デスクトップパソコン、ノートパソコン、サーバー、スマートフォンなどの筐体を生産しています。アップルも顧客。
日月光投資控股とは
日月光投資控股は日月光グループの持ち株会社。主要な事業会社は日月光半導體製造股份有限公司。高雄市楠梓加工出口區に本拠を置く半導体製造装置メーカー。
日本では日本法人が半導体製造過程での検査工程を受託したりしてます。
(参考)日月光ホームページ
日月光の日本法人であるASEジャパンは山形県にあり、社員数300人。
そんなに社員いるの!?っと思い調べたら、2004年に当時のNEC山形の高畠工場を買収したみたいです。
なるほどねえ。
台湾企業ランキングまとめ
台湾企業、頑張っております。
例えば、iPhoneなんて台湾企業の関与が強かったりします(世代によりますが)。
CPU:TSMCで生産
筐体:キャッチャーテクノロジーで生産
基板:南亜プラから材料購入
回路板:ペガトロンで製造
カメラレンズ:ラーガンプレシジョンで生産
組み立て:ホンハイ精密で製造
こんな感じに。アップルがくしゃみしたら台湾も風邪引いちゃうかな?
併せて読んでほしい
本文で出てきた通り、台湾は金融機関が非常に強いです。
なので、台湾の金融機関だけでまとめてみました。
・台湾の半導体関連企業の時価総額と売上・利益、事業内容の一覧
本文で出てきた通り、台湾の圧倒的ナンバーワンは半導体製造の会社でした。
その他にも台湾は半導体関連企業が強いので、まとめてみました。
日本に進出している台湾企業を調べました。
結構多く載せているので、職探しなどにどうぞ。
台湾企業は儲かった時に従業員に還元しないといけないという法律があります。
日本にはない面白い法律なので、ちょっと詳しく調べてまとめました。
台湾財界を牛耳っている(と噂の)台湾五大家族について調べました。
ついでに、いわゆる財閥についても調査しました。
台湾に住む人たちについて詳しく調べてみました。
台湾に住む台湾人のほか、外国人、特に日本人についてもまとめてあります。
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