台湾の金門島とは?行き方やおすすめ観光地、歴史を紹介〜台湾なのに台湾じゃない場所
金門島に旅行してきました!
とにかく楽しかったので、金門島について網羅的にご紹介します!
結論として、歴史的にも興味深く台湾に興味のある皆さんには、ぜひ一度行ってもらいたいです。
金門島旅行について、ゼロ知識でも楽しめるどころか、そのまま行ってしまってもいいようにまとめました!!
目次
金門島とは
金門島は台湾(中華民国)の金門県に属する島の通称です。
大金門島、烈嶼(通称小金門島)と他の小島併せて12個の島から成ってるエリアでもあります。
台北からは270キロも離れているのに、中国からは5キロしか離れていない、地理的には殆ど中国な場所です。
なので、「台湾なのに台湾ではない」です。
この意味は「中華民国領なのに台湾島ではない」という意味です。
矢印が金門島で、その左にある小さい島が小金門島です。
その左に中国の廈門(アモイ)があります。
金門島の大きさを見てみました。
金門等は台北市街地より2周りくらい大きい。
小金門島は台北市街地より1周りくらい小さい。
意外と大きいため、車を使っても観光に時間がかかります。
金門島はなぜ台湾なのか
「金門島と台湾島はこんなに離れているのになぜ台湾領なのか」
「金門島は中国のそばなのになぜ中国領ではないのか」
こんな疑問をよく聞きます。
しかし、これは逆なんです。
そもそも中国大陸も台湾(中華民国)領土だけれども、中華人民共和国に奪われている状態なんです。
その上で、金門島は「まだ奪われていない」ので台湾(中華民国)領なんですね。
詳しくは本ページ下部の「金門島の歴史」の項を読んでみてください。
金門島への行き方
金門島へは台北松山空港から飛行機で約1時間です。
台北(基隆)からは定期船は就航していないので、行き方は飛行機の一択です。
飛行機はユニエアー(立榮航空)とファーイースタン航空(遠東航空)、マンダリン航空(華信航空)が就航していて、便数もかなり頻繁あります。
金門島観光の費用
費用はどの航空会社も似たような設定で、約4000元/往復。
そのほか、現地でのチャータータクシーが3000元/日。
宿は1000元/泊/人程度。
また、基本的に金門の観光施設は全て無料です。
金門島の名物
名物はかの有名な高粱酒、砲弾から作っている包丁、その他麺線です。
さらに牛肉もかなり食べられているようで、私たちは牛肉麺を二日連続で頂きました!!(のちほどご紹介します)
金門島の観光スポット
旅々台北より拝借
観るべきところは島中にいっぱいあります。
この島は国共内戦の最前線であり、最後の交戦地でもあるうえ、20年以上にわたり中国から砲撃を受けていたので、島中にトンネルが掘ってあります。
金門砲戦(きんもんほうせん)は、1958年8月23日から10月5日にかけて、中華民国福建省金門島に対し、中華人民共和国の中国人民解放軍が同島に侵攻すべく砲撃を行ったことにより起きた戦闘である。台湾では八二三砲戦と称している。また「第2次台湾海峡危機」と称されることもある。
実質的な戦闘行為は1958年10月5日に終わったが、人民解放軍による砲撃は1979年1月1日までの約21年間にわたって定期的に続けられた。1979年の砲撃停止以降、人民解放軍と中華民国国軍との武力衝突は発生しておらず、2016年時点では第二次国共内戦最後の戦闘行為となっている。
-wikipedia
なので、金門島の見どころは「国共内戦の各種記念館」、「内戦の痕跡」、「トンネル」、「アモイが見える景色」です!
金門島のホテル
金門島にホテルはほとんどなく、基本的に「民宿」に泊まります。
僕たちが利用したところものちほど紹介します。
基本的には、繁華街である「金城街」「模範街」の近く、もしくはフォトジェニックな「金門民族文化村」の中の民宿などがおススメです。
実際の僕らの金門島観光旅程
さて、実際僕が金門島に行ったときの様子をまとめます。
僕らは土日の一泊二日で行ってきました。
写真とともにご紹介します。
<初日>
朝10時に松山空港から飛行機で出発しました。
松山空港の国内線はなかなか乗る機会は多くないので、わくわくします!
マンダリン航空(華信航空)の便に搭乗しました
小さめのジェット機ですが1時間だけなので我慢。
途中飲み物のみの機内サービスがありました。
良金牧場
到着して、あらかじめ予約していたタクシーの運転手さんと合流。
その後、良金牧場というお店で名物の牛肉麺。「金門必吃」ですよ!
このお店の名物、当日〆た牛に出汁をかけて食べる牛肉麺。おいしい!!
金門の牛肉麺やばい pic.twitter.com/UuzFSd6mWM
— 台湾の牛肉麺好き (@glade_c_sh) 2018年9月2日
八二三戦史館
その次は八二三戦史館。
八二三砲戦の展示がされています。
金門砲戦(きんもんほうせん)は、1958年8月23日から10月5日にかけて、中華民国福建省金門島に対し、中華人民共和国の中国人民解放軍が同島に侵攻すべく砲撃を行ったことにより起きた戦闘である。台湾では八二三砲戦と称している。また「第2次台湾海峡危機」と称されることもある。
実質的な戦闘行為は1958年10月5日に終わったが、人民解放軍による砲撃は1979年1月1日までの約21年間にわたって定期的に続けられた。1979年の砲撃停止以降、人民解放軍と中華民国国軍との武力衝突は発生しておらず、2016年時点では第二次国共内戦最後の戦闘行為となっている。
-wikipedia
その一角にあるお土産屋。
金門島の複雑な地理関係で、このような興味深いものもあったりします。
蒋介石が内股なのが可愛い。
陽翟老街
次にやってきたのが陽翟老街。
個々は映画「軍中楽園」のロケ地でもあります。映画を観ていたら「おおっ!」となるはずです。
「軍中楽園」については別記事で。
こことか、
こことかね!
金門民族文化村
次に来たのが、金門民族文化村。
こんなにオシャレできれいに整備されているのに、例によって入場料無料!
牛が名物なので、ミルクアイスも名物です!
イイ感じの建物が並びます。
ここは一部民宿として宿泊することができます。
→蕃茄紅了古典館 Booking.com
獅山砲陣地
次に来たのが獅山砲陣地。
戦車も通れる大規模なトンネルです。
外は夏真っ盛りで暑いですが、中はひんやり。
こちらでは毎日砲撃のデモンストレーションが行われています。
兵隊さんの登場から点呼に始まり、大砲の準備があり、最後にはしっかり砲撃(の真似事)を音付きで行います。
結構な音がするので、小さい子はびっくりして泣いてました。
開放時間:9:00~17:30
演習時刻:10:00、11:00、13:30、14:30、15:30、16:30
馬山観測所
次に来たのが馬山観測所。
テレサ・テンが大陸に向けて放送した録音所があります。
特約茶室展示館
そして金門島の穴場、特約茶室展示館。
先ほどの軍中楽園のテーマである「特約茶室」について展示されています。
この施設はあまり積極的に広報したくないのか、公式マップに乗っていなかったり、観光案内でも場所の記載すらない場合が多いです。
その部屋がみられます。
飾られている絵は、当時のではなさそう。
こじんまりとしてます。
戦闘トンネル
続いて、実はもう結構お疲れで、特約茶室展示も見られたので、そろそろ帰りたいなーという雰囲気になっていました。
ところがチャータータクシーの運転手のオバちゃんが「是非ここも見ていけ!」と強烈におすすめされたので、またトンネルに来ました。
人が一人通れる程度のトンネルが200メートルくらい掘られています。
途中水没していて、ひざのあたりまで浸かってしまいました(笑。
出口。
古寧頭
古寧頭の門。
この先にあの有名なスピーカーがあります。
少し進むと、この巨大なスピーカーがあります。
大陸に向けて色々と語りかけています。
テレサテンが大陸同胞に語りかけてます pic.twitter.com/jCpuW3FI25
— 台湾の牛肉麺好き (@glade_c_sh) 2018年9月1日
テレサ・テン、いい声だな。。。
北山古洋楼
古寧頭の帰り道にあるのが北山古洋楼です。
銃痕が残る建物。
戦争怖い。
慈湖落日観海平台
マジックアワーの慈湖落日観海平台。
戦車とビーチ。
この写真がずっと撮りたかったんですよ!
牛家荘
ようやく夕食です。
金城街の「牛家荘」というこれまた有名な牛肉料理屋に来ました。
金門の美味しい高梁酒ということでリクエストしたらこれが出てきました。確か500元。
おいしかったです。
しゃぶしゃぶ!
好金門民宿客棧
ホテルは民宿を利用しました。
4人で行ったので2部屋とりました。
合計4100元。
こじんまりとしていて、清潔感有り満足です。
メンバーの中に人生経験豊富なお兄さんもいらっしゃいましたが「良かったね」と言っていたので、客観的にも良さそうです。
ただ、先ほどの牛家荘のある市街地からは2キロくらいという微妙な距離があるので、ちょっと不便でした。
その分、送迎が無料なので翌日は小金門へ行く港まで送ってもらいました。
<二日目>
水頭港
朝8時に宿をでて水頭港まで。
小金門に行くために8時半の船に乗ります。30分おきに出ています。
今回は厦門には行きませんでしたが、厦門行きの船もここから出ています。
チケットを買ったのですが、なんとヨーヨーカー対応!
こんなかんじの船。
原チャ勢もいました。
座席も結構あり、予約なしで乗れます。
小金門
小金門につくとすぐに観光案内所があります。
そこで電動原付を貸し出しているのですが、、、、
なんと6時間150元。やすっ!!!!
私たちは「電瓶車」という相乗りのツアーに申し込んでいましたのでこれは借りませんでした。
3時間のツアーで一人250元でした。
で、出発。
電瓶車の場所までトンネルを歩いて向かいます。
途中でトンネルを掘っている展示がありました。
当時は交代制で24時間掘り続けたとのことでした。
ガイドのオニーちゃんが僕らに気を使ったのか「この掘削機は日本製なんですよ」と紹介してくれました。
そう、実は金門島作戦の指揮をとったのは日本人だったりするんですよ。
ようやく電瓶車まで到着!これにみんなで乗ります。
勝利門
守り切ったので、勝利したということになっています。
鉄漢堡
鉄漢堡というところの地雷展示。
地雷について詳しく説明があった後、地雷が埋められているところを歩かされるという何とも悪趣味な展示。
大音量で爆発音や銃撃音がして、マジで怖いです。
電瓶車はこんな道をひたすら進みます。
のどか。
猫公石眺景平台
引きで撮影するとこんな感じ。
僕はこの景色が見たかったんですよー!
湖井頭
続いて湖井頭の記念館。
個々は赤パンツの蛙人部隊(中華民国の金門精鋭部隊:阿兵哥)の展示があります。
奥にトーチカみたいなのもありました。
外に出るとタロイモアイスが。
ついつい食べてしまいました。
沙渓堡
続いて、厦門に最も近い沙渓堡へ。
本当に近いです。
ここから対岸までおよそ4キロだそう。
マジで泳いでいけますね。。
八達楼子
八達楼子の交差点。この横に国民党の事務所があります。
小金門には民進党の事務所はないんですって。
この後、12時の船で大金門島に戻りました。半日の小金門島ツアーもおわりです。
模範街
計画を立てている時点では二日目は小金門島で午後まですごし、ゆっくり台北への帰途に向かう予定でした。
ただ大金門島が思いのほか大きく、初日に回りきれなかったので、2日目も午後だけタクシーのチャーターをしました。
港に向かいに来てもらって、向かった先が金門一番の繁華街「模範街」
そしてここにも昨日の良金牧場があったので、またここへ!!
マジでおいしい。
お土産も売っています。
外観。これ台北でもやりゃ良いのになー。
大陸からの客が多いとのことで、中華人民共和国と中華民国の国旗が掲げられています。
異様な光景!!
莒光樓
次に来たのが莒光樓。
景色がいい、ですが暑すぎ(笑
ここでは金門島で高梁が植えられている歴史背景などの展示がありました。
建功嶼
そして建功嶼へ移動。
干潮だと鄭成功の巨大な像のところまで歩いて行けるとのことですが、今回は時期的に無理でした。
得月樓
得月樓。
疲労困憊でこのあたりから記憶がありません。(笑
翟山坑道
またトンネル(翟山坑道)に来ました。
金門酒廠
最後の高梁酒の工場(金門酒廠)へ。
公式ページで見学ツアーが予約できますが、土日は見学ツアーが行われていないので、お土産屋さんだけいきました。
敷地内にはあの瓶の像が。。デカい
お土産をひやかしていたら、店員のニーちゃんが「実は俺らしか飲めないんだけど」と、従業員向けのを試飲させてくれました。
これもおいしい!(高梁酒って罰ゲームのイメージしかないのにおいしかった!)
乳山故塁
最後だと思っていた工場を出て空港に向かう途中、「まだ20分あるからココも寄ろう!」ということでやってきた、空港の目の前にある「乳山故塁」。
この中に蒋経国記念館もありました。
やっと帰りです。
皆さん爆睡で台北につきました。
金門島の歴史
最後に、金門島の歴史ってなかなか興味深いので紹介します。
ここ金門島は国共内戦最後の交戦地ですが、1949年にその後の中華民国の歴史を決める大決戦がありました。
国共内戦において共産党勢力が優勢となり、1949年10月1日に中華人民共和国が成立すると、蒋介石率いる中華民国政府は、中国大陸から台湾に部隊を撤退し始めた。
しかし中華民国国軍部隊は依然として福建省沿岸に位置する金門島や馬祖島に駐屯していた。中国人民解放軍司令官は金門島と馬祖島は台湾占領の前に奪取する必要があると考えた。人民解放軍は、大金門島の中華民国守備部隊を2個師団以下と推測し、橋頭堡確保の第一波上陸部隊に9,000名、第二波に1万名を投入し、3日間で全島占領できると見込んだ。人民解放軍による攻撃は間近いと予想して、中華民国司令官は防御設備を迅速に建設するように命令した。
-wikipedia
こうやって金門島も中共のターゲットにされてしまい、実際に激しい攻撃を受けました。
国民党はこれまで敗走に次ぐ敗走でした。
しかし、国民党がここで劇的な勝利をするのです!
(もしここで負けてたら今はおそらく、台湾は中国の台湾省になっていたはず)
そして、何を隠そう実はこの作戦の指揮を執ったのは日本人でした。
しかしながら、この事実はつい最近まで世に出ていなかったのです。
小金門のトンネルでガイドのにーちゃんが「この掘削機は日本のだよ」と言っていたのも、きっとこういう背景があったからです。
このことについては門田隆将さんの「この命、義に捧ぐ」が詳しいです。
私もこれを読んでから今回の旅行に臨みましたが、金門旅行が一層興味深いものとなりました。
むしろこの本を読んでいなかったらここまで楽しめなかったかもしれません。
金門に行かずとも、「台湾好き」「歴史好き」なら絶対に読んでおいた方がいい一冊です。
傑作です。
金門島理解のための参考リンク
その他、最近話題になった安田峰俊さんの「我々は台湾ではない」中華民国を悩ませる離島の現実はとにかく素晴らしい記事です。
また、金門県政府観光処(日本語)で今回のチャータータクシーはこちらで予約しました。
最後の最後に、台湾の歴史についてはこちらをどうぞ。
併せてこちらもどうぞ。
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4件のフィードバック
- ピンバック: 台湾映画「軍中楽園」を観た感想 – 台湾で牛肉麺を喰らう
大変興味深く拝見しました。「この命、、」も是非読ませてもらいます。行ってみたくなりました。