台湾人のマナーを見て卒倒しそうになった話

公開日:2020年3月25日
Pocket

台北のジムで衝撃の光景を目にした。

 

これまで一度も見たことがなかった光景だったので、しばらく目が釘付けになってしまった。何を目撃したかというと、本来、重いものを上方向に持ち上げるために寝そべったり、座ったりする台に、靴を履いたまま立ち、ダンベルを持ち上げているヤツがいたのだ。

ただのイカレだったなら、ほんの一握りの例外だからしょうがないと思う。しかし、なんとトレーナーも一緒だった。トレーナー同伴ということは、そのトレーナーがそうしろと指示したはずだからだ。

つまるところ、僕は「普通、みんなが寝そべるところ、少なくとも座るところに靴履いたまま立ち上がらせる? ありえない!」と思ったのだ。

 

あまりの衝撃にしばらく目をそらすことができずにいたら、二人はトレーニングが終わったのかどこかに消えていった。

 

 

そういえば最近、別にも「台湾人の土足感」に驚かされることがあった。これはウチの妻の話だ。

台湾には玄関がない家が多い。

ほとんどの家が土足と非土足の境界が曖昧で「出来るだけ」ドアの近くで靴を脱ぐ。

僕はその曖昧な境界がたまらなく気に入らないので、部屋全体にマットを敷き「マット上は土足厳禁」と、来客には一目でわかるようにアピールしているのである。流石に明らかに雰囲気が違うので、ここを土足で入った人間は1人もいなかった。

ところが、最近、我が家では引越し作業をしていて、そのマットを一部どかした。

 

そしたら妻がマットをどかした部分に、平気で土足で入ってきた

これは、部屋のかなり奥まった場所だったにも関わらずである。

 

僕は思わず、「いやいやマットは剥がしたけど、もともと靴脱いでたんだから、靴脱いでよ!」と言うと、たまらなく嫌な顔をされた。たまらなく嫌な顔をされたので説得をあきらめ、僕は逆に「わかった、じゃあ、マットのないところは全部土足ね」と、ルールを変えてしまった。

その瞬間から引っ越し途中の部屋のほとんどが土足になった。欧米か。

 

しかし、その夜、事件は起こった。

 

妻が、今度は、土足にしたはずの非マットエリアを裸足で歩いているのだ。

「え、ちょっと、そこ土足エリアにしたよね?」と言うと、これまたたまらなく嫌な顔をされてしまった。

 

全く理解不能である。

 

ウチの妻は土足エリアに平気で裸足で足を踏み入れ、この後そのまま布団に入って寝るんだよ?

信じられない。

この人は、最近のコロナ騒ぎの影響を受けて、外出から戻るとウザいくらいに手を洗い、それを僕にも求めるのだ、それにもかかわらず、だよ?

 

意味がわからなすぎて、もう僕は理解するのを諦めてしまった。

 

後日、どうしても一連の驚きの原理を理解したかったのか、やはり一人で考え込んでしまった。結論として「台湾人と日本人は土足の観念が違い過ぎるのではないか」と一旦の自己納得を得た。

 

そうだ、新居を借りた際も、オーナー夫妻は部屋の中なのに土足だった。借りた後は明らかに靴を脱ぐエリアにもかかわらず。もちろん同行した不動産屋もだ。

この人たちは、そもそも土足で部屋に入ることに抵抗がないのである。

 

きっとそうだ、台湾は土足の概念がきわめて曖昧なのだ

たしかに電車の椅子に子供が土足で立っててもなんとも思わないらしいし、本屋では(ベンチがあるにもかかわらず)地べたに座って本を読む。駅でも空港でも地べたに平気で座るし、閉店後のサブウェイのカウンターに店員が土足で上がっているのを見たのも記憶に新しい。

 

好奇心に負けて、嫌な顔されるのを承知で妻に尋ねた。

「明らかに靴脱ぐ場所で、靴脱がなくて抵抗ないの?」と。するとこれまた衝撃の回答があった。

「土足禁止にする時に、掃除すりゃいいじゃん。」

考え方が違いすぎて、これが、呆れるということかと思った。

 

そういえば冒頭のワールドジム、台に土足で乗っていたトレーニーが立ち去った30秒後、アルコールと雑巾を持ってきて、拭いていたのも見かけた。「使用後に拭くくらいなら、靴脱いで使えばいいのに」と思ったが、どうやらそういうことではないらしい。

「靴脱いで使うくらいだったら、使用後に拭く」のだ。

 

考え方が全然違う!

しかし、ここでまた、別に気づいた。

 

どうやらそうではないのは「僕の考え」についてだ。

 

そもそも、僕自身、なぜそこまで土足禁止エリアを土足で踏み入れることに抵抗があるのだろう

「ジムの台」だって、使用後に拭いたんだから汚くないはずである。

 

よく考えたら、日本のジムでは器具を使ったあとは備え付けのタオルで自分の汗を拭いてから(ただひき伸ばしてるだけw)から離れましょうってルールもあるらしい。これ、べつに綺麗じゃないよね。他人の人型の汗跡は見なくても済むけれど。

だいたい、日本でよく見られるスリッパの使い回しも個人的にはイヤでたまらないんだけど、気にならない人も多いらしい。

具体例を変えると、他人が使用後のトイレだって、ただ水で流しただけで使っているのは確かなのだ。

 

 

本質的に綺麗か汚いかは関係ない、ただ、自分が綺麗だと思える基準が人によって、国によって、環境によって違うだけなのかも。

 

 

つまるところ、今回の件に関し、僕には「靴を脱ぐべきところで、平気で土足なのが許せない!」以上の理由が見つからなかった。

「台湾が不潔で、日本が清潔」というわけではない。こういった「基準は必ずしも一直線上にあるわけじゃない」。ズレやねじれがあって然るべきということに改めて気づいた。

 

そんなこんなを、ジムで見たマナーの違いから、社会の既成概念だと思っていたものが、ただの個人の固定観念だったのかもというところまで思い巡らしていたら、血圧上がってたのもあって卒倒しそうになった、って話でした。

 

おわり。

 

 

 

 

まあ「汚れが見えなければOK」「アルコール消毒すりゃ汚してもOK」という認識は誤り、MRTの掃除だって、すげー汚い雑巾で色々なところ拭きまくってても「汚れが見えなければそれでヨシ!」なのは誤り、屋台系のお店で現金触った手で料理してるのも、屋台のおばちゃんがゴム手袋してるのに、その状態で現金の受け渡ししてるのも誤り。

って意見もわかる。

ただ、これらは、また別の次元の問題。

  

3件のフィードバック

  1. この話….. すごく良くわかる!
    仕事で国際別居中。コロナで2ヶ月間台北の夫宅に帰れていません。
    日本は危険だ。マスクは一回使ったら捨てろとか、毎日のように言ってくるけど、台北の家は拭き掃除なんてやったこともないから、帰ったらホコリだらけなんだろうなー。台湾のコロナ対策は素晴らしいですけど。
    ウチも玄関近くで適当に靴脱がれるのが嫌で、逆に土足OKエリアにマット敷いてみたけど、年中はみ出してます。。。帰ったら靴の位置治してます。。彼らは自分が信じたことは情熱かけるけど、そうでないことは一切こだわりナシ。こだわったら大変だけど。覚めるのも早い。
    あーと思ったら「文化が違う所で育った」と自分自身を落ち着かせてます(笑)
    スポーツクラブも掃除用タオル持参してまーす!

    • 国と国とに限らず文化の違いは耐えるしかないですよねー。お互い頑張りましょう!

  2. 台湾でよくあるフレッシュジューススタンドでも手袋をしたままお金を触った手でジュースを作ってます。それを気にせず飲める人から羨ましいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントする