想像力のない人、想像力のある人
友人にお土産を渡したら、想像以上のリアクションをいただいてしまった
先日、友人にお土産を渡した時、泣かれそうになってしまって困った。
「私のために、わざわざ運んできてくれたんですよね…?」
彼女は僕にそう言った。
「わざわざ運んでき」たのは確かにそうだけれど、それは僕のいたずら心が大部分だった。
「ちょっと驚かせられるかな」
この程度にしか考えていなかった。
それなのに彼女は、僕のそのおみやげの「選択、準備、運用」の工程を「想像」して「感激」していた様子だった。
僕は少しも(いや、少し、しか)「こうしたら喜んでくれるはず!」とは考えていなかったから、そこまでの反応を期待も予想もしていたなかった。だから正直、彼女の表情に戸惑った、のに、平静を装ってしまた。
ただ、このことを後に思い出して、彼女の想像力を羨ましく思い、また、反省した。
想像力のない人生より、想像力のある人生の方が絶対豊かだと思う。
僕には欠けているものだと思った。
友人の心配をしていたのに、彼は想像以上の心配をしていた
また全く別の話で、僕のいたずら心で友人の大切にしていた機会を奪ってしまったかもしれない出来事もあった。
その人とは知り合って1年程度。
会ったことは数回だけだけれど、やたらとフィーリングが合うし、考え方や様子、姿勢すべてが理想通りで、僕がここ数年で一番好きになった人だ。
好きというより尊敬に近いかもしれない。
そんな彼と僕には共通の憧れの人がいた。だから、
「僕は彼にこんなに思いを募らせている」
「いやいや僕だってこんなに興味を持っている」
そして「だから…いつか会いたいよね」みたいな話もしていた。
会おうと思えば会える環境なのに、僕ら2人は一度も面会を果たしていなかった。
それで、僕は企画した。
彼と会う時に「共通の憧れの人」をこっそり呼んだのだ。
3年に一度くらい、勇気を出してエポックをメイクする時がある。今日はまさにそんな日だった。いい一日だった。 pic.twitter.com/kmSaNStwUA
— 台湾の牛肉麺好き (@glade_c_sh) June 12, 2019
彼が面会を快く承諾してくれてからというもの、その「Xデー」を迎えるのが楽しみで楽しみで仕方がなかった。
いや、彼の驚く顔が見たくてとの方が正確だ。
またも、僕のただのいたずら心である。
作戦は大成功。
彼の驚いた顔は想像していたものと全く一緒だったし、その場はとても盛り上がった。
僕は、そう思った。
しかし、一方で不安も残った。
ひとつは「僕らが彼に会いたいと願っていたのは真実。だけれど、このようないたずら心を伴った対顔では、彼に不快を感じさせてましったのではないだろうか(本来の目的は引き合わすことだったけれども、側面にはサプライズのダシにされたと捉えられかねないという危険性を孕んでいる)」
もうひとつは「彼がその彼に会うのは、彼が設定したタイミングで自ら会いに行きたいと願っていたかもしれない。今回の邂逅は、その機会を奪ってしまったのではないか」
引き合わせる前から、なんとなく此処までは思い至っていた。
でも、結局、僕はいたずら心に負けて「なんとかなるだろう」「この人たちなら性格良いから大丈夫だろう」と見切り発車してしまったのである。
「この人たちなら性格いいから」なんて、完全に責任を転嫁してる、ダメだよね。
いくらいい人だって、感情なんて気温や湿度気圧で簡単にブレるもんだし。
結局未だに、彼らの気持ちは確かめきれていない。
そんな時に、驚かせた側の彼から連絡があった。
「僕らは彼にようやく会えて楽しかったけど、彼は楽しんでくれたかな?」
なんて想像力だと思った、すごいなと思った。
僕は「機会を奪われた!って怒ってないかなー」って心配していたのに、それどころか、彼は彼の心配をしていた。
僕みたいに想像力が足りない人はそんなところまで思い至らない。
「楽しそうにしてたから、楽しんでいただろう」程度にしか認識できない。
だから、あーこの人も僕の想像の上を行ってる、すごいな、と改めて思った。
いたずら心でサプライズを仕掛けることが好きだ。
サプライズは用意周到に準備するべきだ、人の感情を慮るのも含めて。
良くない展開をしそうな危険性を孕むのはダメ。
二周り先輩の「営業マン」から、想像以上の扱いを受けてしまった
最後に、自分とふた回り上の先輩とのサシ飲みのエピソード。
今回の飲みのきっかけは「最近投資を勉強してる」みたいな話だった。
LINEで話していたら、飲みに行こう、となった。
彼は彼の投資皮算用を僕のために手書きでノートに書いてきていて、共有してくれた。
「君の時間を奪うんだから、それなりの成果を示したい」みたいなことを言っていた。
彼は台湾で会社を興して10年以上。
きっと彼は仕事上での営業も毎回こんな感じなんだろう。
営業先の人それぞれに向けて、提案や話題をカスタマイズしているんだろうと思った。
この人は、危険性を孕まない、ただただ相手のためだけのサプライズをしてきた。
就職で「履歴書は手書きで」みたいなのは正直バカなのかなと思うけれど、これは響いた。
コピペじゃこうはならない。
彼は周りの人間から結構疎まれがちなんだけど、僕は(今の所は)彼の説教くさい感じとか、嫌いじゃない。
それにしても、僕には想像力がない。
「みんなすげーな。」
いっつもそう思ってる。